さまざまな分野での利用2

　都市ガスの主成分はメタンガスですが、メタンガスのみでは火力が弱いため、ほとんどの都市ガスにはメタンガスよりも単位体積当たりの熱量がおよそ２倍も強いLPガスが混合されています。
　LPガスは、都市ガスを一定の発熱量に維持するための増熱用として利用されています。

　LPガスは火力発電の熱源としても利用されています。また最近では、LPガスのコ・ジェネレーションが普及しつつあります。これは、LPガスを利用しての分散発電（マイクロガスエンジン等）とともに生じた排熱を活用するもので、従来の発電所からの送電によるエネルギー効率が38％程度であるのに比べ、LPガスのコ・ジェネレーションでは80％程度まで有効利用することが可能です。

　クリーンで高カロリーのLPガスは、食品加工用、塗装乾燥用、樹脂加工用、窯業用などの工業用の熱源やレストランなどの厨房機器の燃料あるいは空調用として、また、農水産業用では果物や花などのハウス栽培の加温や炭酸ガス供給、茶葉の乾燥用、養豚の暖房用、コンブやワカメの乾燥などに使用されています。
　さらに横断歩道などの表示の焼付け用や建築現場での鋼材の溶接・切断などさまざまなところで利用されています。LPガスを燃料とするLPガス自動車は、低公害自動車としてタクシーから貨物車、最近では自家用車への普及が進みつつあります。

●	かまぼこ、ちくわ、魚干物などの水産加工品
●	ハム、ベーコンなどの燻製
●	せんべい、あられ、パン、菓子、ビスケット、モナカ、アイスコーンの焙焼
●	そば、うどん、製麺の乾燥
●	酒の分析等

●	繊維加工用の繊維、染色整理工程での毛焼
●	染色樹脂加工の予備乾燥、熱処理、幅出し、風合い仕上げ加工

●	金属塗装乾燥
●	ブリキ印刷の焼き付け塗装
●	木工塗装乾燥等

●	ポリエチレン、フェノール、エポキシ、フッ素などの樹脂コーティング等

●	印刷紙乾燥、セロハン乾燥の工程等

●	ガラスの溶解、成型加工、徐冷
●	陶磁器の焼成
●	燻し瓦の焼成
●	ファインセラミックスの加熱・切断・焼成等

●	非鉄金属（アルミニウム、亜鉛、銅等）の溶解
●	鋳鉄の加熱
●	シェルモード等

●	鉄加工用切断
●	鋼材加熱
●	鍛造加熱等

●	葉タバコの乾燥・茶葉の乾燥・穀物の乾燥・椎茸の乾燥・暖房機用・炭酸ガス発生器
●	水耕栽培・ＣＡ貯蔵・育雛・養豚
●	合板の乾燥
●	コンブの乾燥・ワカメの乾燥・海苔の乾燥等

●	LPガス自動車（タクシー）の燃料・生協や宅配、公共の配送車や塵芥車等低公害トラックの燃料
●	フォークリフトの燃料等

LPガスを化学的に分解して石油化学製品の原料となるエチレン、アンモニア、メタノールなどを製造しています。ビデオテープ、いろいろなディスク、写真フィルムや肥料、食品トレー、宅配用保冷箱などの発泡スチロールの発泡助剤＊などになります。
＊発泡スチロールは、ポリスチレンをブタンなどのLPガスによる発泡助剤の力でふくらませたものです。無害で他の発泡剤よりもすぐれた製品を容易につくることができます。